アカシュモクザメ
Sphyrna lewini
 

 
  
1994.1.4 撮影
与那国(ハンマーウェイ)

ニコノスV+20mm

 初めて与那国に行ったのは、この前年の7月でした。夏の与那国は、流れだけ速くてさして見るものもなく、散々だったので、このときはリベンジでした。

 年内のうちは海も荒れ、さっぱりだったのですが、年が明けてこの前日に、70匹くらいの群れが出現。大興奮でした。

 そしてこの日は、ジャージの5mmの上下のウェットのうち、上着のほうを持って来るのを忘れて、ロングジョンとTシャツで潜っていました。いかに与那国とはいえ、寒いの何の。

 鳥肌が立っているのを我慢して、−28mで待っていると、前方にうっすらと影が出現。しばらく待って、ガイドさんの合図と共に突進。少し盛り上がった岡のようになったところを越えた途端、目の前にはハンマーの群れ。

 まるで、ジュラシックパークのように、古代に紛れ込んだような気分で、その行進を呆然と見守りながら、頭の中ではワーグナーの神々の黄昏の音楽が鳴り響いていました。

 与那国のハンマーは、すべて妊娠中のメスだという話もあります。確かに白いお腹が大きく膨れていたのが、はっきり記憶に残っています。